一二九六年、秋。

これらの写真は、リニューアルする香椎宮公式ウェブサイトへ使用するため撮影されたものです。撮影当時は令和2年(2020年)。新型コロナウィルス感染症による大きな変化の年。香椎宮にとっても、これまでのことを改めたり、今までと違う臨時の方法を編んだりと、新しい取り組みが多い年でした。

いつもの祭典は、神職も参列者もマスクを着用して斎行されました。普段なら目にする獅子楽などの賑やかで楽しい大祭での奉納行事は中止となりました。そして祭典の中心にある祈りだけは御神前に届けよう、コロナ禍中にこのことだけは達成させようと多くの試行錯誤に力が注がれました。

たくさんの方々に様々なご苦労や我慢を強いることとなりましたが、怪我の功名と言うと差し支えがあるでしょうか、そんな試行錯誤の中で改めて浮かびあがってくるものがありました。コロナ禍というフィルターを通過することで透き通った、香椎宮とは本来どうあるべきかを深く考えることができる何か。目には見えないけれど大切な、昔から変わらない絶えることのない何かです。

私たちが実感した何かが写し取られた当時の写真は、リニューアルされた新しい公式サイトに使用されました。撮影がコロナ禍中の日々と重なったことは、今振り返れば特別なタイミングのように思えます。