INTERVIEW

夫婦インタビュー|2020.5.9 シンガーソングライター 永山マキさん
+ギタリスト イシイタカユキさん

香椎宮の御神木 綾杉は、妻の神功皇后が崩御した夫・仲哀天皇を思い、そして広く世の中の幸せを祈りながらお手植えされた杉の枝が生長したものです。綾杉は、夫を思う妻の愛情であり、他者とわかり合い、同じ時を親しく過ごしたいという平和への祈り、希望を感じさせるシンボルとも言えます。

今回は、愛と平和と希望の象徴である綾杉にふさわしいご夫婦にお越しいただきました。音楽ユニットiima(イーマ)で活動する、シンガーソングライターの永山マキさんと、ギタリストのイシイタカユキさんです。2018年はiima、2019年は永山さんソロで、香椎宮で開催した子どもと神さまの風習を引き継ぎ、いのちを育むたまごで人々をつなぐ「あおぞらたまご市」でエモーショナルな歌を披露してくださいました。嬉しいご縁に感謝を込めて、おふたりの夫婦のかたちをお聞きしました。

一緒にいろんな事を経験しながら
相手のことを知っていく。
それはものすごく幸せなこと。

──ご夫婦であり、iimaとして仕事も一緒になさっているおふたり。ずばり、お互いの好きなところってどこですか?

マキさん:イシイさんの好きなところ、私はもういっぱいあって。まず、すごく達観しているところかな。広い視野で物事の全体を見てるっていうか。私は1つの事にこうグーッと集中しちゃう方だけど、イシイさんは逆だよね。

タカユキさん:うん。見たものや言われたことに、素直に反応するのがマキちゃんの良さでもあるし、それが問題になる時もあるけれど(笑)、僕はそこで1回、考えるタイプですね。

マキさん:なに、問題になる時って(笑)。でもやっぱり、私は感情を素直に出すタイプなんですね。

タカユキさん:夫婦ってそれぞれ違う人なので、分からないところがいっぱいあるわけですよ。だから話し合ったりいろんな事を一緒に経験したりしながら、相手のこと知っていく。それが、知れば知るほど好きになったり、興味を持ったりできる相手だというのは、やはりものすごく幸せなことですね。ノロケとかじゃなくて、自分と価値観が違う部分はたくさんあるけれど、それが別にイヤじゃなくて、面白いなと思える。

夫婦は他人同士なんだから、
話し合わないと伝わらないことが
たくさんあるよね。

──ケンカはしますか?

マキさん:もちろん(笑)。でも、もしケンカしたとしても私は「あの時のここがイヤだった」って、ちゃんと伝えてるよね、あきらめずに。でも、私のイメージなんだけどイシイさんの場合はちょっとさ、あきらめるわけじゃないけどさ、「もういい」ってプイッてなっちゃう時があるでしょ?そういう時も、私はずっと扉をたたき続けてきたような気がする。

タカユキさん:ああ、そうか。僕は「もういっか」ってなっちゃうからね。うまくいってるのは、そうだね、マキちゃんがそうしてくれていたからだね。

マキさん:イシイさんがプイッてなっても、ほとぼりが冷めた頃に、ちゃんと謝りに行くのは私だし、いつも扉を開ける努力をしてきたよ、この10年。ここはアピールしときたいところですね(笑)。その日のうちに仲直りするとか、互いのイヤなとことか話し合って、なるべく早い段階で解決していかないと。

タカユキさん;うん、話し合わないと伝わらないことってたくさんあるよね。夫婦じゃない人と仲違いしたとしても、「ま、いいか」みたいに距離を置いてこられたわけじゃない。「どうせ他人だし」とか「個人の自由だよね」になっちゃう。夫婦はそうはいかない。だからこそ話し合いが大事なんだよね。他人同士なんだから、放っておいてもうまくいくわけないんだし。

マキさん:いつも話し合うって、互いにそう意識しとかないと、なかなか難しいよね。自分の親とか見てても、そういうのやってないしね。時代背景もあるのかもしれないけど、どこか男の人の方が強いっていうのかな。逆もあるかもだけど。私はどっちかが耐えるとか、そういうのは違うと思うんだよね。ちゃんと話し合うべきだなと思う。

タカユキさん:今の話って、夫婦に限らずだなと思ってて。たまたま僕らは夫婦だから、仲良く一緒に生きていくための思いやりを持つ状況にあるだけで。他の人ともそうやって思いやれていれば、それこそ世界平和ですよね。夫婦でそうやって勉強させてもらってるって感じがします。