INTERVIEW
INTERVIEW
海中に凛と立つ鳥居と祠の風景が美しい。香椎浜海中の御島に鎮座する御島神社は、香椎宮の末社です。対岸には先進都市である福岡アイランドシティが見え、都市と自然が織りなす景観が広がります。ここは神功皇后が海を渡る際に祭りごとが行われた、「日本の外交の起源の地」。いわば、日本と海外の交わりの起源ともいえるでしょう。
異なる文化を持ちながら、国と国、人と人との間には常に分かり合いたい、つながり合いたいという思いがありつづけます。日本と外国がひとつにつながる。または、生まれ育った環境が違うふたりが夫婦としてつながる。その起点はどこにあるのでしょうか。
グローバルな活動を続ける「Fukuoka Now」編集長のニック・サーズさんと妻の恵美子さんのお話しをヒントに答えを探してみたいと思います。
──おふたりの出会いについて教えてください。
ニックさん:今から15年前の2月20日。それが私たちの出会い記念日。当時私はジョギングにハマっていて、よく大濠公園で走っていました。あの日は走っている途中で雨が降りだして、ボートハウスの隣にあるカフェで雨宿りしたんです。そこで恵美子が声をかけてくれました。
恵美子さん:別にナンパしたのではなく、その日より前にも私とニックは会っていました。当時、麻生県知事が主宰していたEnglish Speaking Society─英語でコミュニケーションを取るコミュニティにふたりとも参加していて、そこで名刺交換もしていたんですよ。
ニックさん:私はてっきり大濠公園のカフェで会ったのが初めてだと思っていたけど、初めてじゃなかったんです。
恵美子さん:私はあの日、大濠公園のカフェにパソコンを持ち込んで仕事をしていて、そこにたまたまニックが雨宿りに来たわけです。私はニックの顔を知っていましたから、挨拶をしました。
──たまたまその日にカフェに入らなかったら、おふたりは出会わなかったんですね。
ニックさん:そうです。もっと言うと、あの日に雨が降らなかったら、私たちは出会えなかった。雨が降るといやだなって思う人、多いでしょう?でも私の中には、雨のおかげで恵美子と出会えたというストーリーがある。
恵美子さん:ニックにとってはこの日が二人の出来事として一番印象的みたいで、結婚記念日よりも出会い記念日を大切にしてくれます。
ニックさん:まず2月20日の出会いがなければ、何も始まらなかった。私たちふたりの始まりの日、です。
──当時、お互いにどんな印象を持っていらっしゃいましたか?
ニックさん:私はキレイで素敵な人だな、と思いました。彼女は当時、自分の会社を経営していて、仕事の面でもしっかりしている。尊敬していました。
恵美子さん:本当かな(笑)。私はまず優しそうな人だな、と。あと私、ハッピーな人が好きなんです。顔とかは好みであるに越したことはないけれど、ポジティブな人が好き。彼はまさにそのタイプだと、すぐわかりました。
ニックさん:2度目に会った時、彼女は1200ccの大型バイクに乗って来たんです。しかも、バイカーが着ないようなおしゃれな洋服で。私もバイク好きだから、「かっこいい!」って思いましたね。「この人は元気があるな、面白いな」って。センス、遊び方に共感を覚えました。